「やぐら」について





大阪の南部、大阪湾に面した地域が泉州と呼ばれています。

「やぐら」は、その泉州の南部で秋祭りに曳行される地車です。

分類では、だんじりの一種になるそうです。
(子供の頃は、「やぐら」と「だんじり」は違うんや!!...なんて言うてましたが(^^;)

屋根の鬼板には大阪(北摂、河内、泉北)や神戸で曳行される「上だんじり」と同様、
「獅噛み」が取り付けられていることから、「上だんじり」に似ているとも言われますが、
姿見は岸和田型と呼ばれる「下だんじり」と同様です。

大きな特徴は巨大な二輪のコマです。

この二輪の地車を何故「やぐら」と呼ぶのかは判りません。
「やぐら」に関する文献は無く、ほとんどが口伝えで、今となっては真相を辿る術は
有りません。

「やぐら」は地域、地区によって大きさや形、曳き方、囃子が異なります。
また、曳行時には伊勢音頭や囃子唄が歌われます

やぐらの曳行は

  泉佐野市 樫井東、南中岡本  ( 2台)
  田尻町   吉見          ( 1台)
  泉南市   全域          (20台)
  阪南市   全域          (20台)
  岬町    全域          ( 9台)

泉州地域の祭りは、「やぐら」「下だんじり」「上だんじり」「担いだんじり」
「太鼓台(ふとん太鼓)」が在ります。

泉州の祭りは「下だんじり」が主流ですが、一番古い祭りの形は、太鼓台だそうです。
やぐらの起源ははっきりとは判りません。
私の勝手な推測ですが、「下だんじり」が泉州各地に伝わりだした頃には、既に
「やぐら」の地域には現在の祭りの形態が確立されていたのではないか・・・
(当時、今の形の「やぐら」が曳行されていたかどうかは判りませんが)
そのため、「下だんじり」が伝わらなかったのではないかと思います。

やぐらの基本形は切妻屋根ですが、泉南市信達地区の牧野、雄信達地区の男里南組、
阪南市尾崎地区の大西町は入母屋造りの屋根です。


 牧野のやぐら



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